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BACKGROUND
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おとり物件の撲滅を掲げ、「物件鮮度」No.1に
梁取様当社が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、常にユーザーのメリットを追求しています。特に注力しているのが、おとり物件の撲滅です。2024年6月、第三者機関による調査で、「物件鮮度」において業界No.1を獲得しました。
私と平井が所属する部署では、マイページの機能開発のほか、メールやLINEを通じたユーザーとのコミュニケーション機能開発を担っています。また、マーケティング部門、リサーチ部門、ユーザーインタビューの部門などと連携して、サービスの改善に取り組んでいます。
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ISSUE
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既存ユーザーは、どこにどんな価値を見出しているのか?
平井様 当社は社是に「利他主義」を掲げ、事業を通して社会課題の解決に取り組んでいます。以前、「LIFULL HOME'S」に関しては、既存ユーザーが「どこにどのような価値を見出してているのか」を解像度高くつかめておらず、そのために解決の方向性や施策が具体的になりにくい状況がありました。
その分析をしたいと思ったのが、「9segs®」導入のきっかけでした。
梁取様 サービスの改善には、マーケティングとプロダクトプランニングの連携が大事です。そのためには、より解像度の高いユーザー理解を社内で共有することが重要だと考え、ここを円滑にしていくのに、9segs®調査が役立つだろうと考えました。
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FINDINGS
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1)競合と比較できる9segs®調査で、自社の強みとなる機能を見出せた
平井様 実際の調査はプロダクトとマーケティングで連携し、ユーザーのニーズや使い方、支持されている機能などに関して仮説をいくつも挙げて、それらを確認できるように設計しました。例えば「初めての住み替えと2回目以上の住み替えではニーズが違うのでは?」などです。リサーチ部門のグループ長も加わり、全体の傾向把握ではなく、回答結果を具体的な打ち手につなげることを想定し、質問と選択肢を検討していきました。
今回の調査結果で、当社が競合に先駆けて実装し、以前から注力していた機能が、LIFULL HOME'Sを高頻度で利用しているロイヤルユーザーに特に支持されていることが分かりました。この機能はロイヤルユーザーになってもらうために必要なドライバー(ロイヤル化要因)だとわかり、手応えがありました。
梁取様 9segs®を用いて競合と比較することで、我々の強みと弱みを把握することができました。一方で、強みとして打ち出していた部分がユーザーに十分に伝わっていないという課題も明らかになりました。次のステップとして、どのようにユーザーに伝えればよいかの手がかりを得るため、デプスインタビューを実施する予定です。これにより、具体的な次のアクションにつながる結果を得ることができると考えています。9segs®から得た多くのヒントを活かしていきます。
2)9segs®のデータを報告書に。他部署や経営層にも有用性が伝わる
平井様 分析には、M-Force社の動画のチュートリアルコンテンツがとても役に立ちました。解説動画に沿って操作することで、データ分析を学ぶことができました。
また、直感的に使える「9segs® analyzer」がなければ、詳細な分析はできなかったと思います。リサーチ部門に助言をもらいながら、画面上で条件や切り口を操作して、ロイヤル化の要因を可視化していきました。当社で強いドライバーになっていても、競合も同様なら差別化はできません。当社のみ、ドライバーとして検出されるものを探る場合にも、9segs® analyzerは使いやすかったです。
一連の調査と9segs® analyzerを活用した分析結果を、60ページほどの報告書にまとめて、社内の関係者に報告し、ユーザー理解を共有しました。既存ユーザーが支持していることを知り、強みとして打ち出すのは、マーケティングにおいても重要な取り組みだとコメントをもらい、有用性を認知し合えたと思います。
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ACTION
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ユーザーも市場環境も変化していくから、継続的なモニタリングと改善が大事
平井様 以前から、メールやLINE問い合わせなど何らかの接触があった方にインタビューする仕組みがあるので、今回得られたドライバーについて「どんなタイミングやシチュエーションで『いいな』と思ったか」を深掘りしていきたいです。そこで見つかった示唆を磨いて、マーケティングに共有して広げていく……という流れをつくれたらと思います。
同時に、定性的な情報と、ユーザーの行動ログやCRM活動を通じたデータ分析をつなげて、ユーザーの解像度を高めたいです。さらに、今回見つけたドライバーが「本当に事業インパクトにつながるか」の検証にも取り組みたいですね。
もともと、9segs®の概念自体が今の当社に必要だと感じていましたが、ドライバーを特定できたことで、継続的なモニタリングが大事だと実感しました。9segs®の考え方や得られる示唆など、社内への共有をもっと推進して、プロダクトの設計とマーケティングによる訴求を一致させていくことで、ユーザーに今以上に価値を感じていただけると思います。
梁取様 不動産情報サービスは、競争が激しい市場です。我々が今は独自の強みとしている要素も、様々なプレイヤーによってかき消されるような動きがダイナミックに起こります。変化していくユーザーを定期的に捉え、ユーザー理解を続けていかなければ事業はグロースしないと改めて思ったので、そのために9segs®の継続を決めました。
これまでも、テクノロジーとデータを駆使してユーザー理解に努めてきましたが、やはり「本当はどう思われているか」は一人ひとりのユーザー心理を捉えようとしないと掴めないので、中長期的にしっかり運用していきたいです。
あわせて経営視点では、ユーザーが支持する価値を踏まえた上で、もっとも事業成長につながる投資の配分をつかむことが重要です。9segs®活用のプロジェクトがそれに貢献すると思いますし、エンドユーザーの方々には自然とLIFULL HOME'Sを選び、また使いたいという状態を実現したいと考えています。
導入事例
株式会社LIFULL
9segs®によるユーザー理解が部門横断のプロダクト改善を促進
不動産・住宅情報サービス「LIFULL
HOME'S」の運営をはじめ、老人ホームや介護施設の検索サイト、地域の空き家活用を軸にした地域創生などの社会課題の解決に取り組むLIFULLグループ。「LIFULL
HOME'S」事業において、以前からユーザー調査を実施してきましたが、2024年6月に「9segs®」を導入、ロイヤル化につながる提供価値などについての示唆が得られているそうです。プロダクトプランニング部の梁取(やなとり)義宣様、平井理代様にお話を伺いました。
株式会社LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトプランニング部 横断プロダクトユニット
プランニング2グループ グループ長 梁取(やなとり)義宣様
同ユニットプランニング2グループ 平井理代様