導入事例

ロゴ:会計freee

クラウド会計ソフト「会計freee」

「9segs®」で、シェアNo.1を確実なものに。

クラウド会計ソフトの「会計freee(フリー)」は、昨今の個人事業主向け市場の競争激化に際し、2019年秋からM-Forceとタッグを組んで「9segs®」のフレームワークを導入。「戦略の仮説設定から調査設計の作り込みまで、学びになることばかりだった」というfreee株式会社の鈴木幸尚様に、現時点での手応えをお聞きしました。

BACKGROUND
唯一無二の特徴を備えたクラウド型会計ソフト

クラウド会計ソフトの「会計freee」は、2013年のサービスローンチ時点では市場で唯一のプロダクトでした。主な特徴は、オンプレミス型だった会計ソフトをクラウド化したこと、複式簿記の知識がなくても会計・経理業務ができること、そして複数の銀行口座やクレジットカードなどに分散したお金のデータを一元管理できることの3点です。

ISSUE
「freeeならではの強み」が、薄まっていった。

「9segs®」のフレームワークを導入する以前は、市場における強みが薄れていることが課題となっていました。シェアNo.1という評価も頂いていますが、いろいろな評価方法があるので確実にとは言えません。ローンチから数年は、前述の3つの特徴が我々の独自性だったものの、複数の競合が登場した今では特徴が似通ってきてしまい、際立たなくなっていたのです。そこで「freeeの強み」を改めて探るため、100人の個人事業主に会って話を聞いてみようとメンバーで手分けして実践したりもしたのですが、なかなかこれという勝ち筋は見いだせないままでした。そこで改めて自分なりにマーケティングを学ぶ中で、「9segs®」とM-Force社の存在を知り、そのフレームワークに非常に興味を持ったので、コンタクトを取りました。

FINDINGS
1) 顧客戦略(WHO&WHAT)の重要性

M-Force社から「9segs®」を当社の事業を鑑みて説明してもらい、潜在顧客を含めて具現化していく道筋が描けました。以前から、もちろん「新規顧客を獲得し、ロイヤル化していく」ことを狙ってはいましたが、あくまでイメージに留まっていて、具体的に分けて施策を考えられてはいなかったんです。どの顧客にどのような独自性のある便益をfreeeの強みとして伝えるか、つまりWHOとWHATの組み合わせの「顧客戦略」がとても重要だということも、よくわかりました。同時に、顧客の全体像がつかめてくる感覚もあり、改めてこのモデルは実務に落ちやすいと思いましたね。

2) 徹底した仮説設定と調査設計が有効な顧客戦略を導く

「9segs®調査」でわかった各顧客セグメントについては、社内で蓄積していた顧客データと一致する部分もありましたが、乖離している部分もありました。全然気づいていなかった、意外な使われ方も把握でき、深掘りすれば新たなビジネスチャンスが見出せそうだと思いました。競合分析も、同じ9segs®フレームワークで分析でき、把握していなかった自社の弱点が見えるなど収穫がありました。またN1インタビューを通して、9segs®の各顧客セグメントごとにそれぞれのブランドがどう思われているのかの詳細も確かめられました。 続くコンセプト立案とN1インタビューでも、学びしかなかったというのが素直な感想です。自分たちだけでインタビューしていたときは、解像度が粗かったと思い知りました。例えば、freeeはこれまでも「簡単」に使えることを大きく打ち出してきましたが、M-Forceに「簡単とは具体的にどういうこと?」と問いかけられ、概念が分解されていきました。「簡単」といってもいくつも方向性があり、WHOが違えば求めるものも違うので、当然打ち手も違ってきます。そういったことがディスカッションを通してわかってきて、驚きの連続でした。また、ユーザーの心理をプロに掘り下げてもらうことで、我々が推していた機能が実は響いていなかったなどの事実も明らかになりました。その機能を担当するメンバーは特に衝撃を受けていました。主観だけで突き進むと、結果的に市場の期待と離れてしまうこともあるんです。自分たちだけだったらずっとずれたままだったかもしれません。こういったプロセスで、客観的な視点におけるfreeeの価値も鮮明に形になっていきました。

ACTION
思い込みからの脱却。顧客起点でさらなる相乗効果を。

実務的な手応えに加えて、チームにも好影響がありました。これまでの思い込みのサービス開発ではうまくいかないと反省したり、顧客理解に基づき軌道修正したりする中で、以前より深く議論できるようになり、チーム全体が進化したと感じています。会計ソフト以外のプロダクトにおいても、ユーザー視点でどのような価値があるのかを各々が考えるようになってきました。チームに顧客起点で考える姿勢が根付いてきました。今後は、9segs®で定義した顧客戦略に基づいて、プラン開発や広告展開をしていく予定です。現場で続けている改善施策とミックスさせていくことで、相乗効果も上がると期待しています。展望としては、freeeが魅力的な個人事業を支える存在になっていければと思っています。経理の煩雑な部分をfreeeが担うことで、個人経営の飲食店やバイクショップなど個性ある事業主が増えて、世の中がもっとおもしろくなるように貢献したいです。

鈴木幸尚
ロゴ:会計freee
クラウド会計ソフト「会計freee」
https://www.freee.co.jp/

事業成長をもたらす
顧客起点のPDCA基盤を。