導入事例

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アソビュー! ~ アソビュー株式会社

顧客戦略(WHO&WHAT)を変更し、リピート率を大幅改善、GMVは4年で約4倍に。

レジャー施設の予約プラットフォーム「アソビュー!」を運営するアソビューでは、「9segs®︎」を導入し顧客戦略(WHO&WHAT)を大きく転換。リピート率を大幅に改善し、新規獲得も伸びてGMVは4年で約4倍に成長しました。現在は「9segs® analyzer」を活用し、継続的に事業を成長させています。専務執行役員CSMOの宮本武尊様に、一連の経緯と手応えを伺いました。

アソビュー株式会社 専務執行役員 CSMO 宮本武尊様

※所属・役職は取材当時のもの

BACKGROUND:
休日の便利でお得な予約サイト「アソビュー!」

当社は、ミッションとして「生きるに、遊びを。」と掲げています。現在、休日の便利でお得な予約サイト「アソビュー!」をはじめ、レジャー業界向けのDXを推進するSaaSプロダクトや自治体向けのソリューションなど、遊びに関する事業を展開しています。予約サイトを使うtoCのユーザーが増えるほど、toBの顧客であるレジャー施設にとっても、プラットフォームとしての価値が高まるという構造があります。

ISSUE:
デジタルマーケティング中心の成長が鈍化

「アソビュー!」は、デジタルマーケティング、いわゆるSEOや検索広告、またアフィリエイト広告などで順調に成長していました。当時の主なユーザーは、20代女性。広告を運用する中で、実際に多く顧客になっていただいていたユーザー層で、大学を卒業してまだ余暇の時間やお金も充分にある方々です。当時から提供していたスキューバダイビングやパラグライダー、陶芸教室などが人気で、この層が我々のサービスの主な顧客だと考えていました。

しかし、次第に成長率が鈍化していきました。想定と比較すると、特に新規が延びるスピードに対してリピートが増える速度が遅くなっていました。

FINDINGS:
新しいWHO&WHATの発見と、HOWを左右する顧客理解

新たな策を探す中で「9segs®︎」を知り、導入しました。潜在的な市場全体を見渡し、コアとなり得る顧客を改めて洗い出したところ、遊びを必要としている顧客として「ファミリー層」が浮かび上がってきました。そこで、ファミリーが新たなコア顧客層となるのではと仮説を立て、N1分析、および9segs®︎を使った定量分析を並行して行っていきました。

顧客理解を進めていくと、ファミリー層には仮説通り大きなポテンシャルがあると確かめられました。同時にそのポテンシャルを取り込むためには、提供する価値(WHAT)自体を変え、また施策(HOW)も大きく変更する必要があることもわかったのです。

顧客心理としてお子さんのいる方々は、毎週末の休日、子供にいろいろな体験をさせたいとは思うものの、そのスポットを見つけることが我々の想像以上に大変だと感じていることがわかりました。

具体的には、確実に子供が楽しめる、身近で安心できるレジャースポットへのニーズがありました。やはり一番よく行くのは近場のデパートや商業施設で、フードコートやゲームセンターを楽しむ、そんな方々が非常に多かったのです。そういった定番の休日の過ごし方の延長として、各地域の水族館や動物園、商業施設内の遊び場なども真っ先に上がってくるスポットでした。

それに加えて、春ならいちご狩り、夏ならプールなど、子供に四季折々の体験をさせたいという別のニーズもありました。これらも以前から部分的には揃えていたのですが、マーケティングカレンダーを作っていたわけではなかったので、四季に合わせた提案を計画的に行うことまではできていませんでした。

逆に、それまで提供していたシュノーケリングやイルミネーションは子連れを想定した選択肢ではなかったので、ファミリー向けには適さない、といった形で顧客の解像度が上がっていきました。また、以前から訴求していた「600種類もの多種多様な遊びがある」点も、単身者とファミリーが思い描く“多種多様”はそれぞれ異なるのだと実感しました。そもそもファミリーからすると600種類は求めておらず、外れのない的確な提案をしてほしいという希望もわかりました。

ACTION:
得られた顧客理解を組織全体に浸透・実行し、高成長を実現

当初、9segs®を使った定性・定量的な顧客理解をリードしていたのは、私と代表の山野を中心とした経営陣でした。徐々にマーケティングや営業、開発メンバーも巻き込むことによって、顧客理解を浸透させていきました。WHO=誰に、WHAT=何を、という顧客戦略は、言葉で説明するだけでは当たり前のことに感じてしまいやすい。メンバー全員にセグメントに分けた上での顧客理解がいかに様々な施策に影響を与え、ビジネスへのインパクトがあるかを実感して欲しかったのです。

具体的なHOWとしては、前述の商品ラインナップの見直しとともに、予約サイトの写真などもすべて変更。ファミリーが楽しんでいる様子を中心にしました。また、季節イベントのニーズに対して、部門横断でのアクションとタイミングを記したマーケティングカレンダーを制作し、施策を次々に実行していきました。

施策を実行しつつ、9segs®で半年ごとに顧客の行動・心理データを取得して(※現在は3ヶ月に1回程度)、ファミリー層の利用推移を確認していったところ、想定通り大きく伸びていたんです。新しいWHO&WHATを反映した施策が当たり始めて、事業が再び成長軌道に乗っていきました。

そんな中、2020年にコロナ禍に見舞われ、レジャー市場全体が大打撃を受け、当社も一時は危機的な状況に陥りました。そんな中で、今このときにアソビューに価値を感じてくれる人に本当に向き合うしかありませんでした。ファミリー層にとっては、緊急事態宣言などの影響でこれまでのように外のレジャーを楽しめず、元気な子供をどうやって家の中で楽しませるか、間を持たせるかが大きな課題になっていました。

そうした状況を踏まえ、まず家の中での遊びを提案するほうがよいのではと、クラフトキットなどを新たに設けました。一方、出かけていいなら出かけたいという意見が過半を占めていたので、そのニーズにも応えたいと考えました。そこで、世間的な風潮や見え方も含めて「出かけてもいい場所」とはどこなのか、どうしたら安心して楽しんでいただけるかを考え、感染症の領域に知見のある専門家のサポートを得て施設に対するガイドラインを設け、それをクリアした施設を選べる検索UIにしました。また、密を避けるための入場制限という考え方も広がってきたので、レジャー施設が入場制限を運用しやすくする仕組みをシステムとして開発したりもしました。

こうした対応ができたことも、組織が一丸となって顧客に向き合えていたからだと思っています。一般の方にも施設の方にも喜ばれ、我々も結果的にV字回復を遂げることができました。

この1年は、一度作った顧客戦略について進捗を確認し、次の成長機会を継続的に見つけ、施策に反映するために9segs®analyzerを利用しています。9segs®の主要KPIであるNPI(次回購買意向)が約2倍、およびGMV成長率をさらに加速させる成果が得られており、手応えを感じています。

ある仮説を検証するために特定のデータを確認したいとき、専門チームや外部業者に依頼すると数週間かかってしまうこともあります。ですが9segs®analyzerの場合は、まさにミーティング中に画面を共有しながら「こんな顧客心理があるのでは、それならこのデータを見てみよう」とその場で皆で確認できるので、検証や分析のリードタイムが極限まで短くなります。この仮説検証のスピードと、それによってチームから生まれてくるアイデアを逃さないということが非常に助かっています。

NEXT STEP:
9segs®を使ったPDCAで持続的な成長へ

もともと当社は「for you」というバリューを掲げていて、すべては顧客のためにという考えが根付いていました。一連の9segs®の活用、そして予期せぬコロナ禍への対応を模索する中で、すべてを顧客のためにという思いがより強固になったと感じています。

現在は私の役割としても、toCに加えてtoBも管掌しており、大手レジャー施設の各部門のご担当者様が抱えておられる課題、また経営者の方が持続可能な運営のために必要だと感じられている課題の把握に努めています。役に立ちそうなシステムや、求められるコンサルティングやご支援の形が具体的に見えてきたので、toBにおける新しいWHO&WHATを立て、施策をどんどん実行しています。 結果、toCのお客様が遊びやすくなり満足度が上がっていく、その構造がやっとうまくはまり出して、もう一段階、成長角度を上げていけそうな手応えを感じています。

9segs® analyzerやM-Force社に関しては、顧客に向き合う思想が一致している実感があります。SaaSの本質は進化し続けることだと思うので、常に連携して進められる今の関係性には満足しています。 今後はファミリー層に加えて複数の顧客戦略を同時に展開していきたいので、その際にそれぞれの顧客戦略(WHO&WHAT)のモニタリングや分析が、よりシームレスになっていくような進化を期待したいですね。

アソビュー! ~ アソビュー株式会社
https://www.asoview.co.jp/

事業成長をもたらす
顧客起点のPDCA基盤を。